「万葉集」巻七 一三九〇 近江の海波畏みと風まもり年はや経なむ 漕ぐとはなしに。
意味 近江の海の波が恐ろしいと、風の具合を見計らっている内に、いたずらに年を過ぎてしまうのではないだろうか。船を漕ぎ出す事もないままで。
女性の両親や世間や周囲の事情を見守るだけで、
自ら事を打開しようとしない男性をなじった女性の歌、
もしくは、ただ虚しく時間の経過するのを嘆く男性または
女性の歌と考えられる。